目に良い成分
アントシアニン
物を見る時には、目の網膜にある視細胞のロドプシンという物質が再合成され、その変化が脳に伝えられますが、アントシアニンは、そのロドプシンの再合成を助ける働きがあります。
ロドプシンは、目を使っていると少しずつ分解されるのですが、通常、すぐにまた再合成されます。ところが、目を酷使し続けるとこの再合成がうまくいかなくなってしまいます。
そこで、このアントシアニンという成分を補うことで、目の機能の向上するというわけです。
また、アントシアニンは血行促進効果や、白内障の予防などにも効果があるといわれています。
アントシアニンを多く含む食物
ブルーベリー、黒豆、ぶどう、赤ワイン、赤じそ、赤キャベツ、すいか
DHA（ドコサヘキサエン酸）
DHAは、不飽和脂肪酸のひとつで、サンマやイワシ、サバなどの青魚に特に多く含まれます。体内では合成できないため、食物などでしか摂取できない必須脂肪酸となります。
このDHAは、網膜や視神経の中に存在しています。その中で、DHAは、細胞を柔らかく保つ働きをしており、そのおかげで、視神経から脳への情報がスムーズに伝達できています。
このDHAが極端に足りなくなると、視力障害を招く可能性があります。反対に、DHAを含む食品を積極的に摂取した場合、ドライアイの予防、視力回復、老眼の改善などの効果が期待できます。
DHA（ドコサヘキサエン酸）を多く含む食物
イワシ、サバ、アジ、サンマ、ハマチ、マグロ、あんこうの肝、うなぎ、ぶり、ハモ、ししゃも、タラコ、数の子
ルテイン
ルテインは、カロチノイドという色素の一種で、強い抗酸化力をもっています。
目の中では、水晶体の後ろ網膜の中央にある黄斑部という組織にルテインが存在し、目に入ってくる有害な光を遮断、吸収して、目の健康を守る働きをしています。
目に入る有害な光と言えば紫外線もありますが、この他、蛍光灯やテレビ、パソコンのディスプレーなどから出ている青色光も、目に大きなダメージを与えます。ルテインは、紫外線だけでなく、この青色光から受けるダメージからも目を守ってくれます。
ただ、このルテインは、人間の体内では、合成できないため、ルテインを含む食物をきちんと摂るように心がけましょう。
屋外での活動が多い人、テレビやパソコンの画面を見る時間が長い人は、特に意識して摂取したい成分です。
ルテインを多く含む食物
ケール、ホウレンソウ、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、インゲン
ビタミンA
ビタミンAは「目のビタミン」といわれ、目の健康を保つのにとても大切な成分です。
物を見る時に重要なロドプシンとういう成分がありますが、このロドプシンは、ビタミンAが変化した物質です。目の疲れというのは、目を酷使することによってロドプシンが極度に消耗した状態のことです。アントシアニンもロドプシンの再合成を助ける働きがあるため、目の疲れに即効的な効果が期待できますが、ビタミンAは日常的に目の健康を維持するのに欠かせない栄養素です。
この他、ビタミンAは目の表面にムチン層をつくって角膜に涙をつなぎ留めたり、涙の量を増やすなど、目を乾燥から守る働きもあります。
また、ビタミンAが不足すると、目の中の光や色を感受する物質が足りなくなり、暗いところで物が見えにくくなる夜盲症になることもあります。
ビタミンAを多く含む食物
鰻、鶏レバー、豚レバー、牛レバー、フォアグラ、あんきも、いか
βカロテン
カロテンにはα、β、γなどの種類があります。
このカロテンの中でもβカロテンは、皮膚や粘膜を強くする効果があり、目に関して言えば、目の粘膜や網膜を健康に保ち、疲れ目や、目の乾燥を防ぐ働きをしています。このβカロテンが不足すると、角膜が乾燥してドライアイになりやすくなったり、夜間視力が低下する可能性があります。
また、このβカロテンは肝臓や小腸で吸収されるとビタミンAに変わるため、ビタミンAとしての効果も期待できます。
βカロテンを多く含む食物
かぼちゃ、にら、にんじん、ブロッコリー、ミツバ、モロヘイヤ、ほうれんそう、小松菜、シソ、パセリ、チンゲンサイ
ビタミンB12
ビタミンB12は、よく目薬にも配合されている成分で赤い色をしています。赤い色の点眼薬などがありますが、あれはビタミンB12の色だそうです。
このビタミンB12は、タンパク質の代謝を助けたり、赤血球を作ったり、傷ついた末梢神経を修復するなどの働きがあります。目にとっては、視力を増進させたり、目の疲労を軽減するなどの効果が期待できます。
ただし、この成分は体に蓄積されないので毎日摂取する必要があります。
ビタミンB12を多く含む食物
牛レバー 、鶏レバー、いくら、たらこ、はまぐり、のり、しじみ、わかさぎ、赤貝、あさり 、牡蠣